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中東 弘さん
枚岡神社 宮司
緑豊かな生駒山麓に位置する「枚岡神社(ひらおかじんじゃ)」は、初代神武天皇が即位される三年前に創建したと伝わる古社。御祭神四神のうち二神が奈良の春日大社に分祀されたことから「元春日(もとかすが)」とも呼ばれ、中世以降は河内国の一之宮として崇敬されてきた。
一之鳥居、二之鳥居をくぐり石段を登った境内には、朱塗りの御本殿や柏槙(びゃくしん)の御神木、出雲井より御神水が湧き出る摂社・若宮神社、3つの末社など多数の見どころが点在。境内南側の高台には枚岡梅林があり、例年2月中旬〜3月中旬に見頃を迎える。本宮・神津嶽(かみつだけ)へは、この梅林から枚岡山展望台を抜けて、徒歩40分ほどの登山コースより参拝することができる。
神事や例祭などの年中行事も盛んで、特に有名なのが、毎年12月に参加者みんなで笑い合う、「お笑い神事」とも呼ばれる「注連縄掛(しめかけ)神事」だ。これは、岩戸に隠れてしまった神様を笑い声で呼び出し、世の中を明るく平和にしてもらおうという天岩戸神話(日本神話)にちなんだ神事にあたる。従来は神職ら関係者のみで行っており、「あっはっはっー」と3度笑うのみだったが、宮司・中東弘さんの発案で誰もが参加可能に。また、笑う時間も約20分間と大幅に長くなった。
「いつの世も“笑い”はとても大切。すばらしい神事なので、みんなで笑って福を招きましょう」と、私が宮司として着任してからは、地域の方や一般参詣者にも参加を呼びかけました。
今では皆さんの笑い声が境内に響き渡るユニークな神事として、毎年ニュース番組でも取り上げられ、全国からたくさんの方が“笑い”に訪れます」と中東宮司。
また、毎年10月には秋の実りを感謝する氏子祭として「秋郷祭(しゅうごうさい)」が盛大に行われる。
「お祭りには、山車の一種である20台以上もの布団太鼓台が宮入りします。神話がモチーフの彫刻が施された太鼓台を眺めているだけでもおもしろいですし、氏子が太鼓台を担いで参道を歩く、勇壮な中担き(なかがき)も見どころ。氏子の団結力や地域の絆を感じる賑やかなお祭りで、屋台なども並びますのでぜひお越しください」。
お祭りのみならず、日頃から地域との繋がりを大切にする中東宮司。
「古来日本では暮らしの身近に神道がありました。古き良き文化が忘れられつつある中、今一度すばらしい伝統に触れることで、多様化した現代で穏やかに、そして強く生きるための指針を得てもらえれば」と語る。
そういった思いから、年齢制限なしで参加できる「巫女体験」や、宮司が案内する毎月16日の「聖地神津嶽登拝(かみつだけとはい)」なども中東宮司の発案で行い、地域の人々と共に神道の学びを深める機会を大切にしている。
DATA
枚岡神社
- 駅名
- 近鉄奈良線「枚岡駅」
- 住所
- 大阪府東大阪市出雲井町7-16
- 電話番号
- 072-981-4177
- 受付時間
- 参拝は24時間自由※授与所・祈祷受付は9:00〜16:00
- 定休日
- 無休
- 拝観料
- 拝観無料
- アクセス
- 近鉄奈良線「枚岡駅」下車すぐ
- ※掲載情報は2022年9月現在のものです。変更している場合があります
- ※新型コロナウイルス感染症の影響などのため、受付時間等を変更している場合があります
- ※掲載人物は撮影時のみマスクを外しています
- ※掲載の記事、写真、イラストなどの無断掲載を禁じます
いつの世も“笑い”はとても大切!
みんなで笑って福を招きましょう