MAIAGARE
HIGASHIOSAKA
MESSAGE
MAIAGARE
HIGASHIOSAKA
MESSAGE
辻󠄀本 悠祐さん
松江 翼さん
金剛鋲螺株式会社
金剛鋲螺(こんごうびょうら)株式会社は、1956年に東大阪で創立したネジの製造メーカーだ。中でも主力製品となるのが六角ボルト。小指の上に乗る小さなものからペットボトルほどの大きなものまで、そのアイテム数は累計30,000種類を超えるなど、サイズ展開の幅広さは業界屈指になる。
それに加え、強度区分4.8(※1)の六角ボルトは「中」仕上げが一般的なところ、同社はすべてを「上」仕上げで製造するなど、ハイレベルな製品づくりにこだわることで、全国にある六角ボルトメーカーの中でもトップクラスの実績を誇っている。
「ネジは単体では目立たない存在ですが、実は踏切や信号といった公共インフラから携帯電話や家具までと、私たちの暮らしを陰ながら支える、なくてはならない存在です。といっても、一般の人はあまりピンとはこないのでは。実際、私自身もここで働く前はそうでしたから」と話すのは、取締役の辻󠄀本悠祐さんだ。
大学を卒業後、メガバンクに就職し、その後ITベンチャー企業を経て、同社へ入社。社長である父の下で働きながら、今は改めてネジのおもしろさを実感しているという。「当初はこんな小さな部品をつくるのに、これほどまでに大掛かりな機械を使い、複雑な工程を経ていることに驚きました。 いわば技術の塊なんですよ。ネジはニッチな事業領域ですが、その可能性はまだまだ広がると思っています」と、意気込みをみせる。
工場へ一歩入ると、轟音が響き渡る中、さまざまな工作機械がフル稼働している。1本のネジは、ヘッディング(素材の線材を圧造)〜トリミング(圧造した丸頭の製品を六角などの形状に打ち抜く)〜先取り(ボルトの先端を切削)〜ローリング(ネジを切る)という工程を経て完成する。
「工作機械に数値を入力すればOKというものではなく、わずかなズレやゆがみを微調整するなど、職人の繊細な技術があってこそハイレベルな製品が完成するんです」と話すのは、営業部部長の松江翼さんだ。松江さんはこの道約30年のベテランだが、入社当時はネジには全く興味がなかったと笑う。 「それが今では街中でネジを見つけては『これはトリミングの抜き方がうまいな』と観察するほど。ここで働く人は気が付けばみんなネジ好きになっています(笑)。ネジは一見すると、どれも同じに見えますが、この小さな部品の中に各社のこだわりが凝縮されていて、奥深いものなんですよ」。
2022年に奈良に新工場を新設するなど、さらに事業を拡大し、ネジ業界のナンバーワン企業を目指している。
「東大阪にはネジをつくる上で関わりが深い企業さんが多いので、そのネットワークも生かしながら、高品質の製品を安定して生産できる技術力を持った100年企業を目指していきます」と辻󠄀本さんと松江さん。
同社のロゴマーク「ダイヤ菊水」は、創業者が金剛山麓出身だったことにちなんだもの。金剛石はダイヤモンドの別名であり、そんなダイヤのように美しい製品をつくろうという思いが、今もしっかりと受け継がれている。
※注1:強度区分4.8=強度区分はネジの持つ強度の目安になり、4.8は40キロまで切れずに8割の32キロまでは伸びても元に戻るという意味。六角ボルトは強度区分4.8が一般的。
DATA
金剛鋲螺株式会社
- 駅名
- Osaka Metro中央線・近鉄けいはんな線「長田駅」
- 住所
- 大阪府東大阪市長田西3-5-1
- 電話番号
- 06-6744-3257
- 受付時間
- 8:00〜17:00(土曜・日曜・祝日を除く)
- 定休日
- 土曜・日曜・祝日
- アクセス
- Osaka Metro中央線・近鉄けいはんな線「長田駅」から徒歩約9分
- ※掲載情報は2022年9月現在のものです。変更している場合があります
- ※新型コロナウイルス感染症の影響などのため、休み・受付時間等を変更している場合があります
- ※掲載人物は撮影時のみマスクを外しています
- ※掲載の記事、写真、イラストなどの無断掲載を禁じます
日常生活を支える“なくてはならないネジ”で
100年企業を目指す!