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「舞いあがれ 東大阪」メッセージ

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HIGASHIOSAKA
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繁原 秀和さん

吉田 勲さん

株式会社繁原製作所

製造2グループ 組立チームの吉田勲(よしだ いさお)さん。歯車加工の高度な技術を生かしたEV用多段減速機を組み立てて、実証実験車両に取り付ける作業を行う。

常識を覆す発想が大切!苦境のときこそ挑戦
し続けてチャンスをつかむ

機械の動力の伝達に欠かせない重要な部品となる「歯車」。部品加工の中でも特殊な工程を要する「歯車加工」によってつくられるが、その加工分野で優れた技術力を誇るのが株式会社繁原製作所だ。
高性能歯車加工技術と3D加工技術を生かし、歯車の中でもさらに厳しい精度が要求されるバイクや自動車のレース用歯車部品を大手メーカーへ供給。今や業界でも独自の地位を築く。生産・設計・管理の全工程を一貫して行える技術力と充実の設備が強みであり、試作・小ロット部品の受注に特化し、付加価値の高い製品の短納期化を実現している。

先行投資は先代のモットー。歯車の形状をミクロン単位で修正可能な機械「歯車研削盤」を3台備える。

東鴻池町にある本社・工場には、歯車を加工する機械を含め、多彩な用途に合わせた約50台の加工用機械がずらりと並ぶ。また、自社の歯車を組み立てたEV(電気自動車)用多段減速機(動力の回転速度を減速して出力する装置のこと)を搭載した、レース用の実証実験車両も製造する。

創業を紐解くと、ルーツは戦前から続く町工場。そこで技術力を磨いた初代が1968年に独立して「繁原歯車」を創業し、1981年に法人化した。「時に不況の煽りを受けつつも、先代の機転とチャレンジ精神で危機を乗り越えてきました」と語るのは、4代目として会社を率いる代表取締役社長の繁原秀和(しげはら ひでかず)さん。

全日本ラリー参戦の「新型ヤリス用ドグミッション」(写真下は組み立て前)。レースのたびに壊れては改良を繰り返し、日々精度を高めている。

近年は、歯車加工技術を駆使したEV用多段減速機の設計・開発が軌道に乗り注目を集めるが、その転機はリーマン・ショック中の2009年だったという。
「資金でも精神面でも厳しい状況でしたが、『苦境の今こそ』と不屈の精神を発揮し、高精度の減速機をわずか1カ月で完成させました」。
その後も、実証実験車両でEVレースに参戦しながら改良を重ねる日々。「EVに多段減速機は不要」という業界の定説を覆すべく開発を続け、2014年に大会優勝を果たしたことで、その意義を実証しつつある。地道に積み上げた実績は大手メーカーの開発者の目にも留まり、事業領域と売上げを拡大させた。

多様な試作開発に取り組むスタッフ。この経験をもとに、実現が難しい精度や形状の開発ニーズにも応える。

また、地域や子どもたちへの開かれた工場を目指した取り組みも積極的に行う。その一環として、2021年は一般客にモノづくりを体験してもらうイベント「東大阪市オープンファクトリー」に参加し、工場見学やレーザー刻印でキーホルダーをつくる加工体験などを開催。「技術力を磨き続けるのはもちろんのこと、未来の担い手を育むためにもモノづくりや工場のイメージを向上していけたら」と繁原さん。「今後は、さらなる労働環境・制度の拡充にも取り組み、地域全体で工場の魅力を伝えていきたい」と意気込む。

DATA

株式会社繁原製作所

駅名
JR学研都市線「鴻池新田駅」
住所
大阪府東大阪市東鴻池町5-2-7
電話番号
072-962-8411
受付時間
8:30~17:30
定休日
土曜・日曜
アクセス
JR学研都市線「鴻池新田駅」から徒歩約18分
公式HP
https://www.shigehara.co.jp/
  • ※掲載情報は2022年9月現在のものです。変更している場合があります
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  • ※掲載人物は撮影時のみマスクを外しています
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