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「舞いあがれ 東大阪」メッセージ

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野田 邦雄さん

野田金属工業株式会社
創業者・取締役相談役

取締役相談役で創業者の野田邦雄(のだ くにお)さん。

一品一様の製品に真心を込めた
“感動を呼ぶモノづくり”が原点

「何でもつくれる」「何でもそろう」と国内外から高い評価を得ている東大阪。そのような高度かつ多彩な技術が集結する地域で、「曲げ加工のプロ」と評されているのが野田金属工業株式会社だ。
同社の礎(いしずえ)をつくったのは、現在93歳となる、取締役相談役で創業者の野田邦雄さん。1973年の創業よりも前、終戦直後の旧満州での体験がモノづくりへの思いの原点になっているという。

野田邦雄さんは、1929年に岐阜県郡上郡白鳥町の農家で七人兄弟の三男として生まれた。「私が数えで17歳の冬、終戦直後の旧満州で着の身着のままの難民生活を送っていた頃です。零下40度という極寒と飢えで大勢の日本人が倒れる中、キビ(穀物の一種)を炊いて食べるために、暖房器具のペチカにかぶせてあった鉄板をはがして知恵を絞り、自分の手だけで鍋を自作しました。同胞の方に同じものをつくると、とても喜ばれたんです。生きるために必死にやったことですが、この喜んでもらった体験が今に通じていると思いますね」。

一品生産方式にこだわり、営業職を置かなくても取引先が品質の良さを口コミで伝えてくれるそう。

原点を忘れないために、野田さんが創業時から一貫して社員に伝えているのが、“誠心誠意の真心を込めて仕事をする”こと。そのため、オーダーメイドの金属加工を中心に請け負っている。一人ひとりの顧客の立場に立ち、「できないではなく、どうすればできるのか」を考えてモノづくりに取り組んでいるため、技術の高さと対応の早さは他の追随を許さない。

曲げ加工のプレスブレーキマシンは自動制御だが、実は職人のノウハウが出来を左右する。
世界的アーティストである野田正明氏(写真右)のモニュメント制作は、代表取締役の山本秀雄さん(写真左)と株式会社タクト代表の野田昌宏さん(写真中央)とのチームプレーで仕上げている。

野田金属工業の冠ともなっている曲げ加工をはじめ、シャーリングマシンによる切断、レーザーカット加工などの金属加工技術によってつくり上げるのは、主に建築制作金物だ。高級ブランドショップの装飾金物やサインボード、ビルの外観に設置されるエクステリア製品など、約6mの大型製品から手のひらサイズの小さな製品までつくっている。
「どれも一つとして同じものはありません」と野田さん。
また、その技術は世界的アーティストの作品づくりにも貢献している。ニューヨーク在住の芸術家・野田正明さんが作品を形にできる協力会社を探していたところに、「おもしろそう」との理由でステンレスのモニュメント制作を引き受けた。それ以来さまざまな制作に協力し、作品は国内だけでなく世界中に設置されている。採算度外視の事業だが、「社員が自分たちの技術に誇りを持つマインドを育てるために続けている」という。

また、同社で近年人気なのが、ステンレス板の端材の有効活用のために開発したオリジナル製品の一つ「天使の白い足跡」だ。ステンレスの鏡面にエッチング加工を施した赤ちゃんのための記念プレートで、一点モノを手掛ける野田金属工業を象徴するような製品。

「モノづくりには『真心』が大切です。一つの製品を生み出すにはいろいろなことを考える時間が必要で、その工程も含めてモノづくりだと思います。そうしてこそ人に喜んでもらえるモノができる。もっとモノづくりの在り方を広めていきたいですね」と静かな情熱を感じさせながら、野田さんは語ってくれた。

同社が誇る製品一つひとつについて、愛情を込めて語ったくれた野田さん。
赤ちゃんの誕生記念として、足型や手型なども制作できるメモリアルプレート「天使の白い足跡」。

DATA

野田金属工業株式会社

駅名
JR学研都市線「徳庵駅」
住所
大阪府東大阪市鴻池徳庵町4-8
電話番号
06-6744-1350
受付時間
8:00〜17:00
定休日
土曜・日曜・祝日
アクセス
JR学研都市線「徳庵駅」から徒歩約12分
公式HP
https://www.art-noda.jp/
  • ※掲載情報は2022年9月現在のものです。変更している場合があります
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  • ※掲載人物は撮影時のみマスクを外しています
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