「舞いあがれ 東大阪」メッセージ
MAIAGARE
HIGASHIOSAKA
MESSAGE
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山川 雅一さん
洋食やまかわ
店主
「舞いあがれ 東大阪」メッセージ
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山川 雅一さん
洋食やまかわ
店主
地元をはじめ、関西一円から足繁く通うファンもいる「洋食やまかわ」。シェフの山川 雅一さんと、奥様の満美子さんとで切り盛りする洋食店は、手間ひまをかけて提供する王道の洋食メニューと、親しみやすい2人の人柄が評判だ。
山川さんが料理の道に進んだのは、知人から「山川くんは料理人に向いている」と言われたことがきっかけ。当時、父親が営む鉄工所で働いていたが、知人の言葉がずっと気になっていたことから、35歳で飲食業に転職。最初に勤めたのは、大阪・肥後橋にある「青楓グリル」。知る人ぞ知る洋食の名店だ。
知人の言葉どおり、山川さんは料理の才能をめきめきと伸ばし、40歳で料理長に昇進するが、思わぬ壁に直面してしまったという。
「料理長を務めて数年後にお店のオーナーさんが他界され、閉店することに。落ち込みましたが、『ここで負けるわけにはいかない』と奮起し、さらに料理の腕を磨こうと新しいお店に移りました」。ステーキ店などで修行を重ね、59歳のときに念願の自店をオープンさせた。
理想の店舗をつくるため、物件の下見は大阪府内で50店舗以上したという。その中で瓢箪山に決めたのは、「瓢箪山のまちは、人の温かさや親しみやすさにあふれていた。ここなら腰を据えてじっくり続けられる」と思ったそう。しかし、オープンから数年間は苦労の連続。「料理の質だけは絶対に落としたくなかったから、経営的にはいつもぎりぎりでした」と山川さん。
転機となったのはあるテレビの取材。流行りや見栄えが際立つ料理でもなかったことから、たぶん放送されないだろうと思ったものの、わざわざ取材に来てくれるのだから、おいしい料理を食べてほしいと、自慢のシチューをふるまう。デミグラスソースや肉の仕込みなど、これまで学んできた料理の経験のすべてが注ぎ込まれている逸品だ。
このときの模様が放送されると、予想を反しオープンと同時にお客が殺到。予約の電話も鳴り止まないような日々が1カ月近く続いたという。「大変でしたけど、うれしかった。何より、あれがきっかけで、まちの人にも知ってもらうことができた。それが一番の喜びですよ」。
山川さんの料理はいたってシンプル。洋食店ではおなじみのラインナップだが、その手間のかけ方にこだわりがある。ステーキなどに使用する牛肉はオーダーが入ってからカットする。これで肉の酸化による変色や風味の劣化を防ぐことができる。また、肉は一切冷凍しない。冷凍して解凍すると、ドリップが出て旨みが損なわれてしまう。使い切る分だけを毎日こまめに仕入れているのだ。さらに料理に使うトマトソースやステーキソース、デミグラスソース、味噌にいたるまで、すべてが山川さんの手づくり。
「大変な部分もありますが、お客さまにおいしいと喜んでもらえれば、不満は何ひとつありません」。
「住めば都といいますが、本当にそうですよ。お客さんが野菜を持ってきてくれたり、顔を合わせれば、自然と世間話になります。まるで、家族のような付き合い方ができるこの東大阪で、今後も料理をつくり続けたい。壮大な目標じゃないけれど、それがいちばん大切だと思っています」。
DATA
手間ひまを惜しまないことが
おいしさとお客さんの笑顔をつくる秘訣