「舞いあがれ 東大阪」メッセージ
MAIAGARE
HIGASHIOSAKA
MESSAGE
MAIAGARE
HIGASHIOSAKA
MESSAGE
中山 正三さん
西本 隆子さん
村中 克さん
株式会社プラス
「舞いあがれ 東大阪」メッセージ
MAIAGARE
HIGASHIOSAKA
MESSAGE
MAIAGARE
HIGASHIOSAKA
MESSAGE
中山 正三さん
西本 隆子さん
村中 克さん
株式会社プラス
ブラシやハケが古くから地場産業の一つである東大阪で、眉毛ブラシや化粧用ブラシ、歯ブラシなどの植毛加工を行っている株式会社プラス。同社が手がけ、究極のエコ歯ブラシとして話題となったのが、“自然に還る歯ブラシ”をコンセプトに、職人が一つひとつ手作業で仕上げる「turalist(チュラリスト)」だ。天然木と天然毛からつくられた自然素材100パーセントの歯ブラシが出来上がったのは、「モノづくりのまちの技術と経験を守りたい」という広報の村中 克さんの思いがきっかけだった。
歯ブラシの持ち手(ハンドル)といえばプラスチック製が一般的だが、「turalist」はすべて天然の素材を使用している。「当初は竹を使って試行錯誤を繰り返していたのですが、しっくりこなくて。諦めかけていたら、友人の家具職人から提案されたのが、端材で出たブナの木。しっくりと手に馴染み、使い心地の良さにも満足できたことから採用しました」と村中さん。
歯ブラシのなかで特に重要なのが毛の部分。通常は機械による作業が主だが、「turalist」の場合はハンドルに木を使っているので、現在の大量生産の機械では植毛することができない。
そこで出番となるのが、今では数少ない手作業での植毛技術を持つ西本 隆子さんだ。部品も残っておらず、壊れると修復することもできない昭和20年代~40年代製の植毛機を自身でメンテナンスしながら、月に150本という限られた数の「turalist」を1本ずつつくり出している。
「プラスチックとは異なる繊細な力加減が必要なんです。天然木だから筋目を見て、その目に合わせて天然毛の植え方も変えて。ハンドル部分にヒビや割れが入りやすくなるだけじゃなく、歯に当たる感触も変わっちゃうからね。心地良く、長く使ってもらえるよう調整しながら植毛しています」と西本さん。
この植毛技術はもちろんだが、仕上げの工程も重要。担当するのは代表取締役の中山 正三さん。西本さんが植えた毛をざっくりと切りそろえ、機械に当てながらミリ単位で歯の部分を形成していく。「天然木だから植え直しはできないんです。この仕上げを失敗すれば、せっかく植毛してくれた西本さんの努力が水の泡になっちゃう」と、笑いながら話す中山さん。
「turalist」は、なんと半年以上も使い続けることができる“自然に還る歯ブラシ”。「もっと長く使い続けたい」という利用者からの声を受け、新たにメンテナンスサービスもスタートした。
「利用した歯ブラシを預かり、洗浄からエゴマ油の塗布、殺菌まで手作業で行います。しっかり使い込まれた歯ブラシを見ると、愛されているなぁとうれしい気持ちになりますね。だからこそ、この西本さんの植毛技術を絶やしたくない」。
その思いから、今は同じ志を持つ企業と協力して、機械でこの技術を再現できるよう開発を進めているという。「この植毛技術をはじめ、東大阪には多くの技術と経験がありますよね。それを残すためにも企業と企業をもっとつなげていきたいんです。新しいなにかを生み出すきっかけにもなるはずですから」。
後継者問題をはじめとしたさまざまな課題の解決へ、村中さんたちの挑戦は続く。
DATA
熟練の技術から生み出された
“自然に還る歯ブラシ”